2020年の振り返りと2021年の見通し

先日、コーチと共に2020年の振り返りをした。一言で言うと『何もできなかった』という反省だった。もちろん、働いていなかったわけではない。

マネタイズスタートから始まった2020年。出鼻を挫かれるがごとくコロナという超巨大な外的要因に晒された。ビジネスの世界で生きてきてからは所謂不況は始めての経験だったし、それに関してはベストを尽くせたし死線を超えたとも思う。

新プロダクトのリリースもあり、正直仕事量自体は昨年の3倍はあった。それでも結論は変わらず、『何もできなかった』。

 

経営者として生きている人たちは共通して財務諸表でしか自分の腕を評価されない。どれだけ壮大な夢を掲げ、どれだけ莫大な資金を調達しようとも、僕らの通信簿は残念ながら、財務諸表以外ない。どれだけ売上をあげ、利益を残し、還元したか。

そういった意味で自分の経営者5年目は0点だった。登り方として当分赤字を掘りながら進んでいくため売上の額は少ないのだがそれが問題ではない。将来的なPLに大きく跳ね返る資産形成への投資・選択ができなかった結果、近視眼的な仕事に忙殺されることになった。忙殺という名の言い訳。意味のないタスクに時間を捧げ、経営としてもっとも大事な問いに向き合うことを怠っていたにすぎない。ウイルス、経済不況、そして他人。アンコントローラブルなものに脳内シェアを割かれすぎた。どれだけ祈り、願いを捧げようがウイルスは消え去らないし、いきなり高度経済成長期は訪れないし、他人は絶対に変えることはできない。

5年目の振り返りとしてはとてつもなく恥ずかしい。

 

よりテクニカルな話をすると、経営として予算未消化というのは大きな罪である。採用予算・広告宣伝費。事業を加速させるリソースへの資金投下がスケジュール通りに行われないことは大きな停滞を生む。そもそも資金調達は事業加速のために行うのだからそれは当たり前だ。資金投下はできなかった分だけ余るためランウェイはそんなに変わらないはずなのだが、他予算の見積もりが甘く結果、計画的にトントンになるという事態。巻きすぎてもダメ、未達でもダメ。予実を外さない人がいるというのならそれはもう一流の経営者だ。


なぜ予算消化できなかったのか。これに関しては個別具体になるため割愛するが、成長しなければならないはずなのに、成長を望んでいるはずなの心のどこかではブレーキをかけていたように感じたという問題が別にあった。それはノックアウト・ファクターがより根本の構造にあると気づきながら進むことに対する違和感だったのだろう。

 

「正しい努力」。それは戦略。アクションが明確で達成可能なプランが戦略。組織のケイパビリティを度外視したプランなど以ての外、市場の成長速度を度外視したプランも三流のすること。ただ僕にはそれが欠如していたのだと思う。

 

こういった反省を踏まえ、2021年はどうするか。大きな抱負などない。

凡事徹底。これに尽きる。

 

年末は今年お世話になった色々な人と忘年会をした。

トップアスリートの体のケアをしているコーチは言った。

トップアスリートは特別なトレーニングをしているわけではない。自分の体がどう動くのが理想か、今はどう動くのか。そのズレを反復練習の中で修正し続けてるだけなんだよ。

同世代で数少ない尊敬する経営者の友人は言った。

当たり前のことを愚直に続けられる組織とは絶対戦いたくないよね。そういう組織が一番怖い。

 

・人は習慣の乗り物である。
・目標はデイリーに落とさなければ失敗しやすい。

 

こんなの当たり前すぎるのに...という情けなさを忘れず2021年を過ごしたい。

ワークスタイルも大きく変えようと思う。重要なこと以外取り組まない。任せる。現場としての責務ではなく、経営者としての責務を果たせるように。

僕らに今必要なのは、崇高な理想でも、飛び道具でもない。結果で価値を証明すること、ですよね。